既卒向け求人にも年齢条件が付く場合はありますが、既卒であることだけを理由に一律の年齢制限があるわけではありません。日本では、求人・採用時の年齢制限は原則として禁止されています。ただし、法律で認められた例外に当てはまる求人では、「35歳未満」などの条件が設定されることがあります。
また、「既卒」と「年齢制限」は別の条件です。求人票に「卒業後3年以内」「卒業後5年以内」などと書かれている場合は、年齢ではなく卒業時期による応募条件です。
既卒向け求人に年齢制限が付くことはある
既卒者を対象にした求人でも、求人企業が募集対象を限定していれば、年齢や卒業時期の条件が付くことがあります。ただし、求人票に年齢を記載できるのは、原則として法令上の例外に該当する場合です。
代表的な例として、次のような募集があります。
- 長期的なキャリア形成を目的として、若年者を期間の定めのない正社員として採用する求人
- 定年年齢を上限とする求人
- 法令によって年齢条件が定められている仕事
- 技能や知識の継承を目的とする、一定の年齢層を対象にした求人
- 芸術・芸能など、仕事内容の性質上、年齢条件が認められる求人
たとえば「35歳未満」「30歳以下」と書かれていても、直ちに違法とは限りません。年齢制限が認められる条件を満たしているか、求人票に記載された理由を確認する必要があります。
「卒業後3年以内」は年齢制限とは違う
既卒求人でよく見かける「卒業後3年以内」「既卒5年以内」という条件は、年齢ではなく卒業からの経過期間を基準にしています。
たとえば、同じ30歳であっても、卒業から3年以内なら応募できる求人と、卒業からの期間に関係なく応募できる求人があります。逆に、年齢が若くても「卒業後3年以内」という条件を超えていれば、応募対象外になることがあります。
| 求人票の表記 | 主な判断基準 | 確認すること |
|---|---|---|
| 35歳未満 | 年齢 | 基準日がいつか、年齢制限の理由が何か |
| 卒業後3年以内 | 卒業からの経過期間 | 卒業年月、応募時点での経過期間 |
| 既卒可 | 既卒者の応募可否 | 卒業後の年数や職歴などの追加条件 |
| 新卒・既卒問わず | 卒業区分による制限が少ない | 未経験可か、経験者向けか |
「既卒可」と書かれていても、すべての既卒者が応募できるとは限りません。年齢、卒業年月、職歴、資格、勤務地などの条件をあわせて確認しましょう。
既卒者は新卒求人に応募できるのか
既卒者が新卒求人に応募できるかは、企業ごとの募集条件によって決まります。既卒者を新卒扱いで受け付ける企業もありますが、卒業予定者だけを対象にしている企業もあります。
「新卒・第二新卒・既卒可」「卒業後3年以内の方も応募可」「既卒者は卒業後5年以内」などの記載があれば、対象になる可能性があります。一方、「2027年3月卒業予定者のみ」のように対象者が明記されている場合は、既卒者が応募できるかを企業に確認する必要があります。
卒業後おおむね3年以内の既卒者を新卒者と同じように扱うことを求める国の指針はありますが、すべての企業に対して、必ず既卒者を採用しなければならないと定めたものではありません。そのため、求人票の対象欄や応募条件を個別に確認してください。
年齢制限がある求人で確認するポイント
求人票に年齢条件があるときは、年齢だけで判断せず、条件の内容と理由を確認します。次の順番で見ると、応募できるか判断しやすくなります。
- 「応募資格」「募集対象」「年齢」の欄を確認する。
- 年齢条件がある場合は、求人票に記載された制限理由を読む。
- 正社員か、契約期間のある仕事かを確認する。
- 「卒業後何年以内」「何年卒」など、年齢以外の条件を確認する。
- 自分の卒業年月、年齢、職歴、資格がすべて条件に合うか照らし合わせる。
- 表記が分かりにくい場合は、応募前に企業や求人を紹介した窓口へ確認する。
特に、「35歳未満・未経験可」のような条件と、「卒業後3年以内・既卒可」という条件は意味が異なります。前者は年齢が基準で、後者は卒業時期が基準です。
求人票に年齢制限がない場合でも年齢で不利になる?
求人票に年齢制限がない場合、年齢を理由に応募を断ったり、採用選考から外したりすることは原則として認められていません。ただし、企業は年齢以外の職歴、資格、経験、業務への適性などを選考材料にすることがあります。
そのため、年齢制限がない求人でも採用を保証するものではありません。既卒の場合は、卒業後の期間に何をしていたのか、応募職種に向けてどのような準備をしてきたのかを、応募書類や面接で説明できるようにしておくことが大切です。
年齢条件に当てはまらないときの対応
年齢や卒業時期が条件から外れている場合は、自己判断で応募をあきらめる前に、求人を掲載している企業へ確認できます。求人票の求人番号や募集職種を伝え、「既卒ですが、年齢または卒業時期の条件に該当するか」を具体的に尋ねます。
企業に直接確認しにくい場合は、求人を紹介したハローワーク、就職支援窓口、求人サイトの問い合わせ窓口などに確認してください。回答を受けた場合は、応募可能かどうかだけでなく、既卒枠・中途採用枠のどちらで扱われるかも確認すると安心です。
既卒の就職で年齢制限を判断するポイント
既卒向け求人の年齢制限は、「既卒だから一律に年齢制限がある」と考えるのではなく、求人票に記載された年齢条件と卒業時期の条件を分けて確認することが重要です。
- 年齢制限は原則禁止だが、法律上の例外では認められることがある
- 「卒業後3年以内」は年齢制限ではなく、卒業からの経過期間の条件
- 既卒者が新卒求人に応募できるかは、企業の募集条件によって異なる
- 条件が不明な場合は、応募前に企業や求人紹介窓口へ確認する
まずは求人票の「応募資格」「募集対象」「年齢」「既卒可否」を確認し、自分の年齢だけでなく卒業年月や職歴も含めて条件に照らし合わせましょう。







