既卒で就活するために退職した場合は、就職活動と並行して、健康保険・年金・失業給付・税金に関する手続きが必要です。特に、退職日の翌日から健康保険が使えなくなるため、次の勤務先が決まっていない人は、退職後すぐに加入先を決めましょう。
手続きの内容や期限は、退職理由、家族の健康保険の扶養に入れるか、雇用保険の加入期間などによって変わります。
既卒で就活する人が退職後に行う主な手続き
退職後に確認する手続きは、主に次の4つです。
- 健康保険の切り替え
- 国民年金への変更
- ハローワークでの求職申込みと失業給付の手続き
- 住民税や所得税に関する確認
すぐに次の会社へ入社する場合は、入社先で健康保険や厚生年金に加入するため、自分で行う手続きが少なくなることがあります。ただし、入社まで期間が空く場合は、空白期間の保険や年金を自分で手続きしなければなりません。
退職後の手続きはこの順番で進める
- 会社から退職関係の書類を受け取る
- 健康保険の加入先を決める
- 国民年金への変更が必要か確認する
- ハローワークで求職申込みをする
- 住民税の支払い方法を確認する
退職日や次の入社予定日を基準にすると、必要な手続きを整理しやすくなります。
1. 退職した会社から必要書類を受け取る
次の就職先やハローワークで手続きをするため、会社から受け取る書類を確認します。
| 書類 | 主な用途 |
|---|---|
| 離職票 | 失業給付の手続きなど |
| 雇用保険被保険者証 | 転職先で雇用保険に加入するときなど |
| 源泉徴収票 | 転職先での年末調整や確定申告 |
| 健康保険資格喪失証明書 | 国民健康保険への加入など |
| 退職証明書 | 退職日や退職理由の確認 |
すべての書類が同じ日に届くとは限りません。離職票などが必要なのに届かない場合は、まず退職した会社へ発行状況を確認し、それでも解決しないときはハローワークへ相談します。
2. 健康保険を退職後の状態に合わせて切り替える
次の会社に入社するまで健康保険の空白を作らないことが重要です。退職後の健康保険には、主に次の選択肢があります。
| 選択肢 | 向いている主なケース | 確認する場所 |
|---|---|---|
| 家族の健康保険の扶養 | 家族が加入する健康保険の条件を満たす場合 | 家族の勤務先または健康保険組合 |
| 任意継続被保険者制度 | 退職前の健康保険を一定条件で続けたい場合 | 退職前に加入していた健康保険者 |
| 国民健康保険 | 扶養や任意継続を利用しない場合 | 住んでいる市区町村 |
家族の扶養に入る場合
家族が会社員などで健康保険に加入していて、収入などの条件を満たす場合は、その健康保険の扶養に入れる可能性があります。
扶養の収入基準や必要書類は、加入している健康保険によって異なります。退職したことだけで自動的に扶養へ入れるわけではないため、家族の勤務先を通して確認してください。
任意継続を利用する場合
退職前の健康保険を続ける任意継続は、加入していた期間などの条件を満たす必要があります。申請期限もあるため、利用を考える場合は、退職前の健康保険者へ早めに確認します。
任意継続では、在職中に会社が負担していた分も自分で負担するため、退職前より保険料が高くなる場合があります。国民健康保険の保険料と比較して選びましょう。
国民健康保険に加入する場合
国民健康保険に加入する場合は、住んでいる市区町村の窓口で手続きをします。一般に、退職した会社の健康保険を脱退したことが分かる書類、本人確認書類、マイナンバーを確認できるものなどが必要です。
必要書類や届出期限は自治体によって案内が異なるため、自治体の窓口や公式案内で確認してください。退職後に病院へ行く予定がなくても、健康保険の切り替えを後回しにしないことが大切です。
3. 国民年金への変更が必要か確認する
退職後、厚生年金に加入する次の会社がまだ決まっていない場合は、原則として国民年金への変更手続きが必要です。住んでいる市区町村の窓口や年金事務所で手続きを行います。
退職日の翌日から次の会社の厚生年金に加入するまで期間がある場合は、その期間が国民年金の切り替え対象になります。手続きには、基礎年金番号を確認できるものや、退職日を確認できる書類などが必要になることがあります。
保険料の支払いが難しい場合は、免除や納付猶予を申請できる可能性があります。未納のまま放置すると、将来の年金や障害年金などに影響することがあるため、払えない場合も年金事務所や市区町村へ相談してください。
4. ハローワークで求職申込みと失業給付の手続きをする
退職後すぐに働ける状態で、就職する意思があり、仕事を探している場合は、ハローワークで求職申込みと雇用保険の基本手当、いわゆる失業給付の手続きを検討できます。
失業給付を受けられるかどうかは、雇用保険の加入期間、退職理由、働ける状態かどうかなどによって決まります。既卒であることや、前の会社を退職したことだけで受給できるとは限りません。
ハローワークで行うこと
- 住所を管轄するハローワークを確認する。
- 離職票などの必要書類を持参して求職申込みをする。
- 受給資格の確認を受ける。
- 受給説明会や失業認定の案内を確認する。
- 決められた日に求職活動と失業認定の手続きを行う。
離職票が手元にない場合でも、求職申込みや手続きについて相談できることがあります。退職理由によって給付の開始時期などが変わるため、離職票の記載内容に違いがある場合は、ハローワークで確認してください。
なお、病気やけがなどですぐに働けない場合は、通常の失業給付の対象となる状態と異なる可能性があります。就活を始められる時期も含めて、ハローワークへ相談しましょう。
5. 住民税と所得税の支払いを確認する
退職後も、前年の所得をもとに計算された住民税の支払いが続くことがあります。退職時に給与から一括で引かれる場合と、後日、自分で納付する場合があるため、会社からの案内や自治体から届く納付書を確認してください。
退職後にその年のうちに再就職した場合は、前の会社の源泉徴収票を新しい会社へ提出し、年末調整を受けられることがあります。提出できない場合や、年末時点で就職していない場合は、確定申告が必要になることがあります。
源泉徴収票は、退職後の就活だけでなく、再就職後の税金の手続きにも使うため、なくさず保管しましょう。
次の会社が決まっている場合に省略できる手続き
退職日の翌日から次の会社に入社し、入社先で健康保険と厚生年金に加入する場合は、通常、国民健康保険や国民年金への切り替えは必要ありません。
ただし、退職日と入社日の間に1日でも空白期間がある場合は、その期間について健康保険や年金の手続きが必要になることがあります。たとえば、退職日の翌日から入社日前日まで空いている場合は、その期間の扱いを市区町村や年金事務所に確認してください。
手続きで迷いやすいポイント
「既卒」かどうかで保険や年金の手続きが変わるのか
健康保険や年金の手続きは、既卒かどうかよりも、退職日、次の入社日、家族の扶養に入れるか、加入していた制度によって決まります。既卒で就活している場合でも、退職後に無職の期間があるなら、通常の退職後と同じように確認が必要です。
アルバイトをしながら就活する場合
アルバイトをしていても、働く時間や契約内容によって雇用保険や健康保険の扱いが変わります。また、失業給付を受けている場合は、アルバイトをした日や収入を申告しなければならないことがあります。
給付を受けながら働く予定がある場合は、始める前にハローワークへ働き方と申告方法を確認してください。
退職後に何から始めればよいか分からない場合
まず、退職日の翌日と次の入社予定日を確認し、健康保険の加入先を決めます。そのうえで、会社から届いた離職票や健康保険資格喪失証明書を整理し、住んでいる市区町村とハローワークに必要書類を確認すると進めやすくなります。
既卒の就活で退職後に最初にすること
最初に、健康保険の空白期間がないかを確認し、扶養・任意継続・国民健康保険のどれにするか決めてください。次に、国民年金への変更、ハローワークでの求職申込み、住民税の支払い方法を確認します。
手続きの期限や必要書類は、自治体、健康保険者、退職理由によって異なります。退職日と次の入社予定日を手元に置き、該当する窓口へ早めに確認することが、手続き漏れを防ぐ方法です。







