既卒で就職して一人暮らしを始めるなら、就職先と収入の確認、住まい探し、初期費用と生活費の準備、入社手続きを順番に進めます。特に、内定前に部屋を契約すると家賃の支払いが先に始まるため、原則として就職先と入社日、月収の見込みを確認してから住まいを決めると安心です。
既卒の一人暮らしに必要な準備は4つ
準備する内容は、次の4つに分けると整理しやすくなります。
- 就職先と通勤条件を確定する
- 部屋を借りるための書類と費用を用意する
- 引っ越し後の生活費を確保する
- 入社と住所変更に必要な手続きを行う
既卒であることだけを理由に、一人暮らしの準備方法が大きく変わるわけではありません。ただし、卒業後の期間や現在の収入、転職・就職の状況によっては、賃貸契約の審査で収入の説明を求められることがあります。
最初に就職先と住む場所の条件を決める
部屋探しは、就職先の勤務地と入社日が分かってから始めるのが基本です。勤務先が決まっていない段階で契約すると、勤務地が変わったときに通勤時間や交通費の負担が大きくなる可能性があります。
最初に、次の条件を書き出してください。
- 勤務先の住所と最寄り駅
- 許容できる通勤時間
- 家賃の上限
- 駅からの距離や周辺環境
- 入居したい時期
- 通勤手当の支給条件
通勤手当が支給される場合でも、支給額の上限や対象となる交通手段は勤務先によって異なります。内定通知書や雇用条件通知書で、勤務地、入社日、給与、試用期間、交通費の条件を確認しましょう。
部屋を契約する前に家賃の上限を決める
家賃は、毎月の手取り収入だけでなく、管理費、共益費、保証料、更新料、通勤費の自己負担分なども含めて判断します。家賃だけを見て決めると、入社後に生活費が不足することがあります。
家賃の上限を決めるときは、次の順番で計算すると判断しやすくなります。
- 給与から税金や社会保険料を差し引いた手取り額を確認する
- 毎月必要な固定費を書き出す
- 食費、日用品費、通信費、光熱費、交通費を見積もる
- 病気や急な出費に備える金額を残す
- 残った金額から、無理のない家賃を決める
たとえば、仮に毎月の手取りを18万円、家賃以外の生活費を9万円、貯金や予備費を3万円とすると、家賃と管理費に使える上限は次の計算になります。
18万円-9万円-3万円=6万円
これは計算例であり、実際に必要な生活費や適正な家賃は、地域、通勤費、食事の取り方、奨学金などの支払いによって変わります。家賃を決めるときは、入社直後に給与が満額支給されない場合も考慮してください。
賃貸契約に向けて用意するもの
賃貸契約では、本人確認書類、収入や勤務先を確認できる書類、初期費用の支払い手段などが必要になります。必要書類は物件や保証会社によって異なるため、申し込み前に不動産会社へ確認してください。
一般的に準備しておくとよいものは次のとおりです。
- 運転免許証、マイナンバーカードなどの本人確認書類
- 健康保険証などの補助書類
- 内定通知書や雇用条件通知書
- 勤務先の所在地や連絡先
- 本人名義の銀行口座情報
- 緊急連絡先の情報
- 連帯保証人を立てる場合は、その人の氏名や住所など
- 初期費用を支払える預金や決済手段
既卒で現在の勤務先がない場合、内定通知書を収入の見込みを示す書類として使えることがあります。ただし、すべての物件や保証会社で認められるとは限りません。審査に必要な書類は、申し込み前に「既卒で、これから入社する」ことを伝えたうえで確認しましょう。
引っ越し前に必要なお金を計算する
一人暮らしの開始時には、毎月の家賃以外にも、契約費用、引っ越し費用、家具・家電の購入費、入居直後の生活費が必要です。これらを分けて計算すると、必要な貯金額を把握できます。
| 費用の種類 | 確認する内容 |
|---|---|
| 賃貸契約費用 | 敷金、礼金、仲介手数料、保証料、火災保険料、鍵交換費用など |
| 引っ越し費用 | 運搬費、梱包資材、移動費など |
| 家具・家電 | 寝具、冷蔵庫、洗濯機、照明、カーテン、調理器具など |
| 入居後の生活費 | 家賃、光熱費、通信費、食費、日用品費など |
| 予備費 | 病気、修理、交通費、給与支給日のずれなどに備えるお金 |
契約費用の項目や金額は物件ごとに異なります。見積書を受け取ったら、家賃以外の費用が何に使われるのか、毎月払う費用なのか契約時だけ払う費用なのかを確認してください。
入社直後は、給与の締め日と支給日の関係で、働き始めてから最初の給与まで期間が空くことがあります。入社前に人事担当者へ、給与の締め日と支給日を確認しておくと、必要な手元資金を計算しやすくなります。
家具や家電は最初からすべて買わなくてよい
家具や家電は、入居初日に必要なものと、後から買えるものに分けて準備します。最初からすべて購入すると出費が増えるため、予算に余裕がない場合は優先順位を付けましょう。
入居直後に必要になりやすいもの
- 寝具
- 照明器具
- カーテン
- トイレットペーパーや洗剤などの生活用品
- スマートフォンの充電器など、毎日使うもの
後から購入を検討できるもの
- 大型の収納家具
- テレビ
- 調理家電
- 掃除機
- 使用頻度の低い家具
物件にエアコン、照明、コンロ、冷蔵庫などが備え付けられている場合もあります。内見や契約前に、備え付け設備と自分で用意するものを確認してください。
入社と引っ越しの手続きを確認する
入社時には、会社へ提出する書類と、住所変更に関する手続きがあります。提出期限は勤務先によって異なるため、内定後に人事担当者から案内された書類を確認してください。
準備する可能性がある書類には、次のようなものがあります。
- 雇用保険の手続きに関する書類
- 年金番号を確認できる書類
- マイナンバーを確認できる書類
- 給与振込口座の情報
- 扶養家族に関する書類
- 前職がある場合の源泉徴収票
卒業後に勤務していなかった期間がある場合でも、入社時に必要な書類は勤務先へ確認すれば整理できます。以前の勤務先がある人は、年の途中で入社する場合に源泉徴収票の提出を求められることがあります。
引っ越しに伴って住所が変わる場合は、住民票の異動、郵便物の転送、運転免許証などの住所変更も確認します。健康保険や年金については、入社日と勤務先の社会保険の加入条件によって手続きが変わるため、空白期間がある場合は市区町村と勤務先の双方に確認してください。
準備を進めるおすすめの順番
就職と一人暮らしを同時に始める場合は、次の順番で進めると重複や見落としを減らせます。
- 内定通知書や雇用条件通知書を確認する。勤務地、入社日、給与、試用期間、交通費、給与支給日を確認します。
- 毎月の手取りと支出を計算する。家賃、管理費、生活費、奨学金などの返済額を入れて上限を決めます。
- 通勤しやすい地域を絞る。勤務地までの交通手段と、通勤手当の条件を確認します。
- 不動産会社に入社前であることを伝えて物件を探す。内定通知書などで申し込みできるか、審査に必要な書類を確認します。
- 初期費用の見積書を確認する。契約時だけの費用と毎月の費用を分け、支払総額を確認します。
- 入居日と引っ越し日を決める。入社日に間に合うだけでなく、荷ほどきや行政手続きの時間も確保します。
- 入社書類と住所変更の手続きを行う。提出期限を一覧にして、完了したものに印を付けます。
物件の申し込み前に、家賃だけでなく契約時の総額と、入居後に毎月かかる費用を確認できれば、入社後の資金不足を防ぎやすくなります。
既卒で一人暮らしを始めるときの注意点
既卒の場合は、働いている期間が長い人と比べて、現在の収入や勤務先を証明する書類を用意しにくいことがあります。そのため、部屋を探す段階で「内定済みだが入社前」であることを隠さず伝えることが大切です。
また、次の点にも注意してください。
- 入社前に退去を申し出ると、違約金などが発生する賃貸契約がないか確認する
- 試用期間中も家賃を払える資金を残す
- 通勤手当が後払いの場合の交通費を確保する
- 初月の給与が満額でない可能性を考える
- 保証人や緊急連絡先を頼める人に、事前に了承を得る
- 奨学金や税金、保険料など家賃以外の支払いを忘れない
審査に通るかどうかは、物件の条件、保証会社、収入の見込み、勤務先などによって判断されます。内定があるから必ず契約できる、反対に既卒だから契約できない、と一律には判断できません。
まとめ
既卒で就職して一人暮らしを始めるなら、まず内定通知書で勤務地、入社日、給与、給与支給日を確認し、その後に家賃の上限と初期費用を計算します。部屋探しでは入社前であることを伝え、内定通知書などで申し込めるかを不動産会社や保証会社に確認してください。
最初に行うことは、就職先の条件と、入居から最初の給与支給日までに必要なお金を書き出すことです。その金額を準備できるか確認してから、無理のない家賃の部屋を選びましょう。







