既卒の面接で「卒業理由」を聞かれたら、卒業した事実だけでなく、卒業後の進路や現在の就職活動につながる経緯まで、簡潔に説明するのが基本です。
面接官が知りたいのは、卒業そのものの理由よりも、「なぜ新卒で就職しなかったのか」「卒業後に何をしていたのか」「今はなぜこの会社を志望しているのか」という点である場合が多くあります。事実を隠さず、反省点があれば触れたうえで、入社後の意欲につなげましょう。
既卒の面接で「卒業理由」を聞かれたときの答え方
次の順番で話すと、経緯と現在の考えが伝わりやすくなります。
- 大学や専門学校などを卒業した事実を伝える
- 卒業後の進路や就職しなかった理由を簡潔に説明する
- その期間に取り組んだことや考えたことを伝える
- 現在の応募理由と、入社後の意欲で締める
回答の基本形は、次のとおりです。
「卒業後は〇〇をしていました。当時は〇〇という考えから就職活動を続けられませんでした。その後、〇〇を経験して、〇〇の仕事をしたいという考えが明確になりました。現在は〇〇を生かして、御社で〇〇に取り組みたいと考えています」
卒業した理由だけを長く説明するのではなく、現在の応募につながる部分を中心に話すことが大切です。
「なぜ新卒で就職しなかったのか」と聞かれた場合
新卒で就職しなかった理由は、言い訳に聞こえないよう、事実と現在の変化を分けて説明します。理由が何であっても、面接官を責めたり、他人のせいにしたりする表現は避けましょう。
就職活動がうまくいかなかった場合
不採用が続いた場合は、結果だけでなく、当時の課題と改善したことを伝えます。
「卒業前にも就職活動をしていましたが、業界研究や企業研究が不十分で、自分に合う仕事を明確にできていませんでした。その後、これまでの活動を振り返り、〇〇の仕事に関心があると分かりました。現在は企業ごとの仕事内容を確認し、自分の経験と結びつけて応募しています」
「どこにも採用されなかった」とだけ答えるより、現在はどのように改善しているかを示すほうが、前向きな姿勢が伝わります。
進路に迷っていた場合
卒業時点でやりたい仕事が決まっていなかった場合は、迷っていたことを無理に隠す必要はありません。ただし、「何も考えていなかった」とだけ答えず、その後に考えを深めた過程を説明します。
「卒業時は自分がどの仕事に向いているのか判断できず、就職先を急いで決めることを避けました。卒業後に〇〇の経験をする中で、人と関わりながら課題を解決する仕事にやりがいを感じると分かりました。そのため、現在は〇〇職を志望しています」
ただし、応募先の仕事と関係のない経験を長く話すと、志望理由が伝わりにくくなります。経験から何を学び、応募先でどう生かせるかを短くまとめましょう。
資格取得や公務員試験などを目指していた場合
試験や資格取得を目指していた場合は、目指した理由と、現在の就職活動に切り替えた理由を説明します。
「卒業後は〇〇の資格取得を目指して勉強していました。しかし、学習を続ける中で、知識を身につけるだけでなく、実際の仕事を通じて経験を積みたいという気持ちが強くなりました。現在は、勉強で得た〇〇の知識を生かせる仕事を探しており、御社を志望しています」
試験に合格できなかった場合も、結果だけで話を終えないことが重要です。勉強を通じて身につけた知識や継続力を、応募先の仕事にどう生かすかを伝えます。
アルバイトや家族の事情があった場合
卒業後にアルバイトを続けていた場合は、業務内容、身につけた力、正社員を目指すようになった理由を説明します。
「卒業後は飲食店で接客のアルバイトを続けていました。お客様の要望を聞いて対応する中で、相手に合わせて説明する力を身につけました。今後はこの経験をより責任のある仕事で生かしたいと考え、正社員として働くことを決めました」
家族の介護や健康上の事情などがあった場合は、必要な範囲だけ説明すれば問題ありません。詳しい病名や家族の個人情報まで話す必要はなく、現在は勤務できる状態かどうかを明確にします。
「卒業後は家族の事情に対応する必要があり、就職活動を中断していました。現在は状況が落ち着き、継続して勤務できる環境が整っています。これまでの〇〇の経験を生かし、長く働きたいと考えています」
「卒業してから何をしていたのか」と聞かれた場合
この質問には、卒業後の期間を時系列で簡潔に答えます。空白期間があっても、事実と現在の状況を落ち着いて説明しましょう。
回答には、次の内容を入れると整理しやすくなります。
- 卒業した時期
- 卒業後にしていたこと
- その経験から得たこと
- 現在、就職を目指している理由
例えば、卒業後にアルバイトをしていた場合は、「アルバイトをしていました」だけでは不十分です。担当した仕事や、応募先でも役立つ経験を加えます。
「卒業後は約2年間、ドラッグストアで品出しと接客を担当していました。お客様の質問に対応する中で、相手の話を聞いて分かりやすく伝えることを意識してきました。今後は接客経験を生かしながら、より専門性を身につけたいと考えています」
特に取り組んでいなかった期間がある場合も、事実と現在の行動を伝えます。
「卒業後しばらくは就職活動を始められず、時間を過ごしていました。自分の希望を整理できていなかったことが原因です。その後、職種や業界について調べ、現在は〇〇の仕事を目指して応募しています。今後は受け身にならず、必要な知識を身につけながら働きたいと考えています」
卒業理由を答えるときに避けたい言い方
既卒になった事情を説明する場合でも、次のような答え方は避けましょう。
- 「何となく就職しませんでした」と理由を終える
- 「会社が自分を採用しなかったからです」と責任を他者に移す
- 「卒業後は何もしていません」とだけ答える
- 質問されていない個人的な事情を長く話す
- 実際とは違う経験や資格を伝える
- 既卒であることを必要以上に謝り続ける
面接では、既卒になった事実そのものより、現在の考え方や働く準備ができているかが確認されます。反省点を話す場合も、最後は「その経験を踏まえて、今はどう行動しているか」で締めましょう。
面接前に準備しておく内容
面接前に、卒業から現在までの経歴を月や年単位で整理しておくと、質問に落ち着いて答えられます。
- 卒業した年月を書く
- 卒業後の勤務、学習、就職活動などを時系列で並べる
- 新卒で就職しなかった理由を一文でまとめる
- 各経験から得たことを一つ選ぶ
- 応募先で生かせる点を考える
- 1分程度で話せる長さに整える
「なぜ卒業後すぐに働かなかったのですか」と聞かれた場合と、「卒業後は何をしていましたか」と聞かれた場合では、答える中心が異なります。質問をよく聞き、理由を聞かれたら経緯を、過ごし方を聞かれたら活動内容を先に話してください。
既卒の卒業理由は「事実・経験・現在の意欲」で答える
既卒の面接で卒業理由を聞かれたら、卒業後の経緯を簡潔に説明し、その経験を現在の志望理由と入社後の意欲につなげることがポイントです。
就職活動の失敗、進路の迷い、資格勉強、アルバイト、家庭の事情など、理由は人によって異なります。事実を無理に取り繕わず、現在は働く準備ができていることと、応募先で生かせる経験を具体的に伝えましょう。







