既卒の職務経歴書は、正社員としての職歴がなくても作成できます。職歴がない場合は、無理に「職務経歴」を作らず、アルバイト・派遣・インターンシップ・業務委託・学校での活動など、応募先で生かせる経験を具体的に書きます。
ただし、企業から提出を求められていない場合は、履歴書だけで応募できることもあります。応募書類の指定がある場合はそれを優先し、職務経歴書を提出するなら「職歴がないこと」と「入社後に生かせる経験・強み」が伝わる構成にしましょう。
既卒の職務経歴書に書く基本項目
正社員経験がない既卒者は、次の項目で職務経歴書を構成すると書きやすくなります。
- タイトル、氏名、作成日
- 職務要約
- 職務経歴または経験概要
- 活かせる経験・スキル
- 自己PR
- 応募先に合わせた補足事項
職務経歴がない場合でも、書類全体を空欄にする必要はありません。応募先と関係のある経験を、担当したこと、工夫したこと、得られた結果の順に整理します。
職歴がない場合の書き方
正社員としての経験がない場合は、職務経歴の欄に「正社員としての職歴はありません」と明記し、その下にアルバイトやインターンシップなどの経験を書きます。
たとえば、次のように記載できます。
職務経歴
正社員としての職歴はありません。
アルバイト経験
20XX年X月〜20XX年X月 飲食店ホールスタッフ
- 接客、注文受付、会計、店内清掃を担当
- 混雑時はスタッフ同士で声をかけ合い、料理提供の遅れを減らすよう対応
- 新人スタッフへの業務説明を担当
「アルバイトをしていた」とだけ書くよりも、担当業務や工夫した点を示したほうが、仕事への取り組み方を伝えられます。実際には担当していない業務や、確認できない成果を付け加えないようにしてください。
アルバイト経験を書くときの項目
アルバイト経験は、次の項目を整理すると職務経歴書にしやすくなります。
- 勤務先の業種
- 在籍期間
- 雇用形態
- 担当した業務
- 自分なりに工夫したこと
- 周囲と協力した経験
- 応募先で生かせるスキル
たとえば事務職に応募する場合、飲食店の経験でも「注文内容を正確に確認した」「売上や在庫の確認を担当した」「忙しい時間帯に優先順位を考えて対応した」といった点は、正確さや段取りの説明につながります。
学校卒業後に何もしていない期間がある場合
卒業後の期間にアルバイト、資格の勉強、就職活動、家族の事情などがある場合は、事実に沿って簡潔に説明します。空白期間をすべて詳しく書く必要はありませんが、何をしていた期間なのか分かるようにします。
記載例は次のとおりです。
- 20XX年X月〜20XX年X月 就職活動に専念
- 20XX年X月〜20XX年X月 資格取得に向けた学習
- 20XX年X月〜20XX年X月 家族の事情により就業を控えていた期間
資格の勉強を書く場合は、資格名だけでなく、学習期間や試験の受験状況、学んだ内容も書くと具体的になります。家族の事情など、詳しい説明を避けたい内容は、必要最小限の表現で構いません。
職務要約は「職歴がない」と「応募先で生かせる経験」を書く
職務要約は、書類の冒頭でこれまでの経験と強みを短く伝える部分です。既卒で職歴がない場合は、正社員経験がないことを隠さず、アルバイトや学校で身につけた力を応募先の仕事につなげます。
たとえば、接客経験を事務職に生かしたい場合は、次のように書けます。
大学卒業後、飲食店で接客業務に従事しました。注文内容の確認や会計など、正確さが必要な業務を担当し、周囲と連携しながら忙しい時間帯にも対応してきました。今後は、相手の話を正確に聞く力と、優先順位を考えて行動する力を事務業務で生かしたいと考えています。
職務要約では、「頑張りました」だけで終わらせず、どのような業務を経験し、何を身につけたのかを示すことが大切です。
活かせる経験・スキルのまとめ方
スキル欄には、応募先の業務で使う可能性があるものを選んで書きます。経験が浅い場合は、スキルを過度に高く見せず、どの程度できるのかも添えます。
| 経験・スキル | 書き方の例 |
|---|---|
| 接客・電話対応 | 相手の要望を聞き取り、内容を確認して対応した経験 |
| パソコン操作 | Wordで文書を作成、Excelで表の入力や簡単な集計を経験 |
| チームワーク | 忙しい時間帯に担当者と声をかけ合い、業務を分担した経験 |
| 継続力 | 一定期間、学習やアルバイトを継続した経験 |
| 資格・検定 | 取得年月、または取得予定と学習内容 |
パソコンスキルは、「基本操作ができます」だけでなく、使用できるソフトや操作内容を書きます。実際には使っていない機能を、経験があるように記載しないことが重要です。
自己PRは経験・行動・応募先での活用の順に書く
既卒の自己PRは、性格の説明だけで終わらせず、具体的な経験を根拠にします。次の順番で書くと、内容がまとまりやすくなります。
- 自分の強みを一文で示す
- 強みが分かる経験を説明する
- そのときに取った行動や工夫を書く
- 応募先でどのように生かすかを示す
たとえば「責任感」をアピールする場合は、次のように書けます。
私の強みは、任された業務を最後まで確認して取り組む責任感です。アルバイトでは、閉店作業を担当した際に、清掃や備品確認の手順を自分で整理し、抜け漏れがないよう確認していました。この経験で身につけた確認習慣を、入社後の事務処理やお客様対応に生かしたいと考えています。
「コミュニケーション能力」「向上心」などの言葉を使う場合も、どの場面で、どのように行動したのかを添えましょう。
既卒の職務経歴書で避けたい書き方
既卒者の職務経歴書では、次のような書き方を避けると、内容が伝わりやすくなります。
- 職歴がないことを隠すために、アルバイトを正社員経験のように書く
- 「特になし」だけで職務経歴欄を終える
- 「頑張った」「努力した」といった抽象的な表現だけにする
- 応募先と関係のない経験を長く書く
- 経験していないソフトや業務をできるように見せる
- 卒業後の期間について、事実と異なる説明をする
職歴がないこと自体よりも、経験をどのように整理し、入社後にどう生かそうとしているかが分からないことが問題になりやすい傾向があります。事実を簡潔に示したうえで、応募先に合う経験を具体化しましょう。
提出前に確認するポイント
職務経歴書を書き終えたら、次の点を確認します。
- 在籍期間や卒業年月に誤りがないか
- 応募先で求められる業務と経験がつながっているか
- 担当業務と自分の工夫が具体的に書かれているか
- 履歴書の学歴・職歴欄と内容が矛盾していないか
- 誤字脱字や表記ゆれがないか
- 指定された書式、ファイル形式、提出方法を守っているか
特に、履歴書の職歴欄と職務経歴書の期間が違っていると、内容の確認が必要になります。提出前に日付と勤務先名を照らし合わせてください。
既卒の職務経歴書は経験を応募先の仕事につなげて書く
既卒の職務経歴書は、正社員の職歴がない場合でも作成できます。まず「正社員としての職歴はない」と明記し、アルバイト、インターンシップ、学校での活動、資格学習などから、応募先で生かせる経験を選びます。
最初に応募先の求人票で求められている業務や人物像を確認し、「自分のどの経験が役立つか」を一つ選んで、担当したこと・工夫したこと・入社後の活用方法の順に書くと、職務経歴書をまとめやすくなります。







